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なにかひとつなら一気にすることができる

2018.03.24日
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"We cannot do everything at once, but we can do something at once."
--Calvin Coolidge ー 1872-1933, 30th U.S. President
「なにもかもを一気にすることはできないが、なにかひとつなら一気にすることができる」
--カルヴァン・クーリッジ、合衆国第30代大統領
(訳 舟田譲二)


本文前半の、We cannot do everything at once の "at once" は「いっときに」「同時に」という意味で、後半の but we can do something at once の "at once" は「すぐに」「即刻」の意味です。
このように英語で二つの意味があり、その意味の違いを表しながら元の英語の雰囲気も壊さずに訳すのはときに至難の業です。
たとえば、
「なにもかもを同時にすることはできないが、なにかひとつならならすぐにすることができる」
と訳したのでは、洒落たつもりでこの文を書いた本人の意図がきちんと伝わりません。
翻訳者泣かせの文です。


私は苦肉の策で、「一気に」という両方の意味を含む言葉を使って訳してみました。
「なにもかもを一気にすることはできないが、なにかひとつなら一気にすることができる」
いかがでしょうか?そのニュアンスが伝わったでしょうか?
ちなみに、オンラインのGoo辞書の「類語辞典」で「一気に」を確認したところ、
<遅らせることなく の意>
またたく間に、直ぐと、ただちに、その場で、瞬く間に、ぱっと、即座に、一瞬にして、やにわに、とっさに、瞬くまに、一瞬、すぐに、いっきに、矢庭に、直ちに、即刻、直に、其の場で、直と、直ぐに、咄嗟に
<同時に、いっせいに の意>
いっぺんに、一時に、一度に、いっきに、一遍に

と記載されていました。


クーリッジ大統領についてはあまり知られていず、地味な人物だったようです。
しかし、「必要以上の税を集めるのは合法的強盗である」という言葉を残したことでも知られており、彼の業績は調べてみると歴史的とすら言えます。


クーリッジは在任中(1923年8月2日 ー 1929年3月4日)4回もの大減税を行い、財政赤字を削減し(23年22.3億ドルから29年の16.9億ドルへ=20世紀最大の削減率)、財政を均衡させ、アメリカ史上空前絶後の好景気をもたらしました。
クーリッジの在任中、アメリカ人は平和を謳歌し、生活水準は飛躍的に向上し、失業率は最低となり、自動車やラジオなどの工業製品は次々と出荷され、エジソン、フォード、ファイアーストン、ディズニーといった実業家たちは空前の富を手にし、そして同時に一般人も次々と貧困を脱して生活の便利さを享受しました(クーリッジ在任中一人当たりの所得は522ドルから716ドルへと上昇)。 
繁栄は同時に人心の安定と偏見の減少をもたらします。
クーリッジ在任前に最大に達したクー・クラックス・クラン(KKK)のメンバーは任期終了時には最低水準へと減退し、同時に、人種差別主義者だったウィルソンの時代には最高潮に達していた黒人への暴力も、クーリッジ在任の最後の年にはほぼ消滅するに至りました。
(保守主義提唱者の随想「クーリッジ大統領に学ぶ」を一部引用)


これを見て分かるように、クーリッジはかなり大胆な決断をし、それを実行してよくテレビに出てくる狂瀾の20年代、狂騒の20年代、黄金の20年代を開きました。
その秘密は、今日の彼の金言
「なにもかもを一気にすることはできないが、なにかひとつなら一気にすることができる」
にあるようです


欲張ってあれもこれもいっぺんにやろうとするのではなく、「ひとつのこと」を即時に、そして着実に行い、それを積み重ねていくことが成功の秘訣と言えます。


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