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一度しかない人生、できれば◯◯とともに生きたい

2016.12.09日

「一度しかない人生、できれば◯◯とともに生きたい」
あなたなら◯◯に何が入りますか?


小説家、詩人の多和田葉子さんがドイツでクライスト賞を受賞しました。


「東京都中野区生まれ。国立市で育つ。東京都立立川高等学校、早稲田大学第一文学部ロシア文学科卒業。書籍取次会社に入社して西ドイツ・ハンブルクに研修に行ったことがきっかけでドイツに魅せられるようになり、ハンブルク大学大学院の修士課程を修了する。


1982年から2005年までハンブルク、2005年よりベルリン在住。1987年、ドイツにて2か国語の詩集を出版してデビュー。1991年、書類結婚の相手を異国に訪ねた女が味わうミステリアスな体験を描いた『かかとを失くして』で第34回群像新人文学賞受賞。1992年、『犬婿入り』で第108回芥川龍之介賞を受賞。


1996年、ドイツ語での文学活動に対し、バイエルン芸術アカデミーからシャミッソー文学賞を授与される。2000年、ドイツの永住権を取得。チューリッヒ大学大学院博士課程修了。博士号(ドイツ文学)を取得。2005年、ゲーテ・メダルを受賞。著作はドイツ語でも20冊以上出版されており、フランス語訳、英訳、イタリア語、中国語などの翻訳も出ている。」
(以上Wikipediaより)


多和田葉子さんの記事が、12月6日付読売新聞に「クライスト賞を受賞して  ドイツ語一つ一つ磨く小説工房」と題して載りました。とても興味深い記事なので、以下に転載させていただきます。


 小説は小学生の頃から書いていた。中学に入って初めて英語の授業があり、英語が日本語と全く違う仕組みを持っていることに大きなショックを受けた。高校時代にはドイツ語を第二外国語として学び、大学ではロシア語を勉強した。どちらも難しかったが、外国語を見たり聞いたりすると、わくわくするようになった。二十二歳でドイツに渡り、しばらくするとドイツ語で小説が書いてみたくなった。それまで日本語で書いていた、あまりにも「小説らしい小説」とは違う、透明度の高い、シンプルで、しかも哲学や詩を目指す短い作品が書けそうな気がした。


 それ以来ずっと、ドイツ語と日本語両方で執筆を続けてきた。ドイツの読者は、わたしが日本語で書いている作品は知らないし、日本語の読者はわたしのドイツ語作品を知らない。二人の作家が一つの身体の中に住んでいるようなものだった。それは二つのターゲットに向けて執筆するということではなく、どうしてもドイツ語で書きたいことと、どうしても日本語で書きたいことが湧いてくるのだ。書いているうちに金鉱を掘り当てたみたいな手応えがあればそれでいい。


 ドイツ語で書いた作品を日本語に訳したことがないわけではない。日本語だけで書いていたのではなかなか到達できない文体を発見したくて、『変身のためのオピウム』や『ボルドーの義兄』などは、ドイツ語で書いたものを日本語に翻訳してみた。逆の方向への翻訳、つまり日本語で書いたものをドイツ語になおす作業はごく最近までしたことがなかったが、『雪の練習生』で初めて挑戦した。あまりにも難しくて何度も投げ出したくなった。訳せないので同じ話を違った風に語り、それがまた翻訳と呼べるのか分からなくなった時期もあった。


 毎朝目が醒さめるとまずドイツ語に向かう。それは冒険というより、工房の地道な作業に似ている。単語を一つ一つ選んでは磨く。そんなことを三十年ほど続け、ドイツでも二十冊以上作品を発表してきたが、わたしのドイツ語による創作活動が今年クライスト賞によって評価されたことがものすごく嬉うれしい。わたしの愛読したハイナー・ミュラーやエルンスト・ヤンデル他、移動の女性作家エミーネ・セヴギ・エツダマやヘルタ・ミュラーなど、これまですばらしい作家たちが受賞している賞だ。
 一度しかない人生、できれば複数の言語とともに生きたい。(作家)


中学生になって初めて英語を学んで日本語との違いにショックを受け、高校ではドイツ語を、大学ではロシア語を学び、大学卒業後「書籍取次会社に入社して西ドイツ・ハンブルクに研修に行ったことがきっかけでドイツに魅せられ」てドイツ語と結婚(笑)。
そしてドイツ人顔負けのドイツ語で小説や詩を書き、そのドイツ語の自作の作品を日本語に翻訳、という常識では考えられないような離れ業をやってのける、まさに才女です。


彼女の結びの言葉、「一度しかない人生、できれば複数の言語とともに生きたい」は、まさに言語を愛し、言語の可能性、面白さにハマったひとりの人の生き様を見事に表しています。
私などもちろん足元にも及びませんが、同じく言語を愛し、英語と心中した者(「好きなものと心中する」)のひとりとして、私はそんな彼女にエールを送ります。多和田葉子さんの作品を読んでみたくなりました。


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