学院長元気の出るブログ

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だから勉強は面白い!

2016.01.14日

「舟田式ひも勉強法 その10」は、私の持論を述べた2年前の記事の再録です。


 12. だから勉強は面白い!

Come on! コワモテのコジャック警部が言うと、〈早く来い〉となる。人懐こいコロンボ警部が言うと、英文では同じセリフが〈こっちこっち〉となる
◆二つのテレビドラマで吹き替え用の台本を手がけた翻訳家の額田やえ子さんが『アテレコあれこれ』(中公文庫)に書いていた。訳し方ひとつで受ける印象はがらりと変わるものらしい
◆有無を言わさぬコジャック流〈早く来い〉だろう。「高台に避難せよ!」。3・11の津波襲来に、茨城県大洗町は防災無線で住民に“命令”したという。本紙東京版で読んだ
◆「高台に避難して下さい」という丁寧な呼びかけを、町長の咄嗟の指示で切迫した命令口調に改めた。上に立つ人がしっかりしていれば住民も安心だろう
◆目を永田町に転じれば、総裁選だ、代表選だ、誰が出るの出ないのと、にぎやかである。重要法案を放置して、国会は休会したに等しい。ぴったりのセリフが額田さんの本にあった。You gotta be kidding!…。コロンボ警部の〈ホントですか、それ〉よりも、コジャック警部の〈なめるんじゃねえよ〉が気分に合う。
(2012年9月5日 読売新聞 「編集手帳」)


英語を専攻していた大学時代、言語の面白さにハマって言語学関係の本を読みあさって、独学で勉強し始め、それが高じて卒業後アメリカへ言語学を学ぶために留学する結果となりました。
上の読売新聞「編集手帳」の記事はまさにこの面白さを物語っています。
読んでいて思わず吹き出してしまい、この記事を何人かの人に紹介しました。でもそれだけではもったいなく思い、さらに以前このブログでも紹介しました。


中学や高校、さらに大学でも英語の授業というと、それこそ明治時代から変わっていないのではないかと思うほど、紋切り型に
You are Ken.
あなたは健です。
I am Ken. I have a toy in my bag.
私は健です。私は私のかばんの中におもちゃを持っています。
He has a book in his bag.
彼は彼のかばんの中に本を持っています。

のように訳して、先生も生徒もみんな平然としています。
「私は健です。私は私のかばんの中におもちゃを持っています」
なんて言う中学生の男の子がいったいどこにいるでしょう。
これではまるでちょうど今、NHKの朝ドラマでやっている『花子とアン』の中に登場する明治時代の英語の授業のようです。


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こんな訳をしているので、みんな英語はつまらないと思ってしまいます。
それこそ、上の「編集手帳」のような訳し方をしたら、生徒たちは授業に引き込まれ、勉強が大好きになるのは間違いなしです。


大学生の頃、英語のクラスで使われていたテキストで和訳のないものがありました。
すると、誰かがそれを翻訳して学生相手に売っていました。
友人にちょっと見せてもらったところ、わら半紙に殴り書きしたような、非常に質の悪いもので、しかもその訳たるや上の中学生の訳よりもっとひどく、日本語になっていませんでした。
そんなものを500円〜800円ほどで売っていました。


私はクラスの仲間5人ぐらいに声をかけて、自分たちで訳本を作ることにしました。
私の家に集まり、私がものすごいスピードでどんどん翻訳していき、それを字の上手な女の子が清書して、リコピーという当時出たての家庭用簡易コピー機、といっても建築図面に使われていたような青焼きのものですが、それで別の友人がコピーし、機械から出てきた濡れている用紙を別の者がドライヤーで乾かし、乾いたものをまた別の者がホッチキス止めするという流れ作業を徹夜でやったことが何度かありました。
でも、販売価格は100円。お金儲けをする気は初めからなかったので、元が取れればいいと考え(リコピーの値段は確か19,800円ぐらいで結構高かった)、試験が終わると売上金で手伝ってくれた仲間たちと一緒に食事をして労をねぎらったものです。


アメリカ留学中もいくつかの通訳会社や翻訳会社に登録されていて、よく仕事が回ってきました。
そのほとんどはビジネス関係だったので、上のコジャック(正しくはコゥジャック)やコロンボのような面白さはありませんでしたが、仕事はいつも楽しみながら精一杯やりました。
帰国後しばらくして、アメリカの売れっ子作家、シドニィ・シェルダンの小説が「超訳」という名の下で次々と出版され、どれも爆発的な売れ行きになりましたが、その「超訳」は誤訳のオンパレードで実にひどいものでした(「明日がある」)。
でも、あれだけ売れたということは、日本人が上の「編集手帳」のコジャックやコロンボのようなこれまでにないユニークな訳に飢えていたからでしょう。


今、日本の小中高校生や大学生もみんな、面白くて楽しい、生きた授業に飢えています。
今日も著名な教育専門家が、勉強嫌いの子を持つ母親からの相談に次のように答えているサイトを見ました。
「子どもというのはもともと勉強嫌いで、そんなことは当たり前です」。
教育専門家や教師がそのような考え方をしていたら、子どもに勉強の面白さを伝えることができるわけありません。
それこそ、コジャックじゃないですが、
You gotta be kidding!
〈なめるんじゃねえよ〉


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