学院長元気の出るブログ

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地震、雷、火事、親父

2009.01.24日

怖いものを「地震、雷、火事、親父」とよく言いますが、なぜ3つの天災の中に「父親」が入っているのでしょうか?父親はそんなに怖い存在なのでしょうか?
実はもともと「親父」ではなく、「大山嵐」(おおやまじ)すなわち「台風」のことだったのです。(山嵐−やまじ、大山事−おやじ とする説もあります)
ですから怖いものは「地震、雷、火事、台風」なのですが、私自身は地震や雷、火事などで怖い体験をしたことがなかったので、親父は文字通り一番怖い存在でした。


私の父はとても厳しい人でした。しかし同時に、とても優しい人でした。
過去形で言うともう亡くなったみたいですが、まだ存命しています。
ただ私が知っている昔の父ではありません。アルツハイマー症になり、今では私のことも分からなくなりました。今は老人ホームで介護を受けています。私たちが仕事で忙しく、家にいることがほとんどないので面倒をみることができないからです。


小さい頃、父は私にとって何でもできるスーパーマンのような存在でした。車の運転がうまい(当時、車を持っている人はほとんどいませんでした)、英語がペラペラ、白バイに乗るカッコいい警察官の友達がいた(昔は警察官はとても偉かった)、レコードの音楽にあわせて母と一緒に社交ダンスを踊るダンディな、車のセールスでは昭和30年代から40年代にかけて毎年全国優秀セールスマンで表彰され、本社から社長功労賞をもらった、話がうまい、タバコを吸う姿が様になっていた...
本当に私の憧れの人でした。
父は私の友人の間でもとても人気がありました。私の従兄弟の間でも人気者でした。だれとでも気さくに話し、すぐに友達になる人でした。
車のセールスをやっていて、お得意様だったいくつもの大会社の社長にとても可愛がってもらって、しょっちゅうゴルフに連れてもらっていました。


私が何度か大きな失敗をしたときには厳しく叱りましたが、そのあとはすぐにまた優しい父に戻っていました。私はそんな父が大好きで、父に喜んでもらいたくて自分から進んで洗車と車のワックスがけを毎週手伝っていました(小学生の頃から大学生になっても)。


そんな父が50代で妻(私の母)を病気で亡くし、それからとても気弱になりました。
認知症の症状が少しずつ出始めたのもこの頃からだったようです。


私の中にある父の一番のイメージは、父が40歳の頃のこの写真です。


father.jpg


父はものすごいヘビースモーカーでした。
しかし私が高校生のとき父はピタッとタバコをやめました。
知人には「禁煙なんて簡単だよ。マーク・トウェインは100回以上も禁煙したことがあるって言うぐらいだから」と笑って言っていました。
私が尋ねると、何となく、知らないうちにやめてしまった、と答えました。


ところが20年ほどたったある日、父は私に打ち明けました。
「お前が高校生のとき、周りの友達のだれそれ君がタバコを吸い始めた、〇〇君も吸い始めた、と言っているのを聞いたとき、このままだときっとお前も吸い始めるだろうと思い、お前には吸ってもらいたくなかったのでやめた」
私はこれを聞いたとき本当に驚きました。
簡単にやめられた、と人には言っていながら実際には随分苦しんでいたのです。私のために。


私はそんな父を心から尊敬しました。
大学生のとき、周りの友人はみんなタバコを吸っていましたが、父のお陰で私はタバコを吸わずにすみました。


父をホームに訪ねると、一生懸命何か言おうとするのですが、何を言いかけたのか途中で忘れてしまって、結局意味の通らない支離滅裂のことを言います。
スーパーマンだった昔の父のイメージがあまりにも強いため、認知症になった父を見るのは本当に辛いです。訪問して家に戻るときはいつも涙が流れてきます。


今日、高2のO君を教えていたとき、英語の教科書に次のような一節がありました。
「彼女はリエが知っていた母ではなくなっていました。彼女はよだれを垂らして突然うとうとし始め、自分の考えを言葉につむぎ出そうとするときでさえ、その断片だけが彼女の唇からこぼれ、床に落ちていきました。リエは自分の感情を無理やり抑えましたが、彼女の愛しい母親に目に見えて起こる変化を見ることは、17歳の少女にとっては過酷なものでした」


自分の親が、目の前でどんどん年老いていくのを見るのは本当に辛いことです。
ビバルディの「四季」ではありませんが、人間だれでも人生に春・夏・秋・冬があります。
辛いことから目をそむけるのではなく、命の尊厳をしっかりと見つめることは、私たちの人生でもっとも大切なことのひとつかもしれません。


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